
CROSS TALK
社長と若手社員の
クロストーク座談会
高い技術力で電池業界を牽引し続ける古河電池。電池業界を取り巻く環境が激変する中で、古河電池ではどのような未来を見据えているのでしょうか。
5年後、10年後の古河電池の未来に向けて、若手社員と社長に語ってもらいました。
MEMBER
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黒田 修
代表取締役社長
1983年に古河電気工業に入社後、営業・経営企画などの経験を積んだのち、グループ会社統括部長、グローバルマーケティングセールス部門長、取締役等を経て、2023年6月に古河電池の代表取締役社長に就任。
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S.M
入社9年目
鉛電池開発部
自動車用電池開発グループ入社後、自動車用鉛蓄電池の技術開発に従事し、新車向けの技術対応。3年目に新車メーカーへの出向を経験。現在は、鉛蓄電池の部材・充電の条件を検討し、更なるコストダウンを推進。
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K.Y
入社8年目
ESS事業推進部
マーケティンググループ入社後、海外営業部に配属。アジア地域・新規市場へ産業用鉛蓄電池の法人営業を担当。6年目からは、需要が見込まれる再生可能エネルギーを活用したESS(Energy Storage System)の新規事業でマーケティングを担当。
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K.T
入社3年目
BIPプロジェクト推進部
新電池開発1グループ入社後、次世代型蓄電池「バイポーラ型鉛蓄電池」の研究・開発を担当。世界初の試みである開発に参画。再生可能エネルギー及び、バックアップ用途の開発に携わる。
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O.C
入社3年目
産業機器営業統括部
東北支社2022年に中途入社。東北エリアで病院・工場・スタジアム等の大型施設向けに非常用電源や産業用鉛蓄電池の法人営業を担当。既存のお客様へニーズの調査、蓄電池設置の調整、新規案件の獲得を推進。

session 01 古河電池の魅力
古河電池のどんなところに魅力を感じていますか?
- 黒田社長
- 私は古河電気工業で営業や経営企画などを経験して、2022年に古河電池の副社長執行役員になったあと、2023年に社長に就任しました。実際に古河電池に来てみて感じたのは、「古河電気工業と社員の雰囲気が似ているな」ということ。みんな人あたりがいい。やさしいというかね。フランクに話してもらえる。とってもまじめで誠実な性質なんだよね。実際に働いている皆さんは、どう感じていますか?
- S.Mさん
- 私は福島県いわき事業所で働いています。確かに、やさしい人たちが多く、部署の垣根を超えて質問もしやすいです。業務外で集まって遊びに行く人も多いです。
- K.Tさん
- 困っているときも、声に出す前に先輩社員がその気配を察して「何かあった?」と声をかけてくれることがよくあります。単に言葉だけじゃなくて、「こうしたらいいよ。」といって、一緒に手を動かして教えてくれるので、とてもありがたいですね。
- O.Cさん
- 社員一人ひとりを尊重してくれる風土があると感じています。例えば、今回のクロストークについても、まず私個人の意思確認を最優先してくれました。私は中途入社なのですが、全く違うジャンルから電池業界に来たので、最初は基本的な知識もおぼつかないところからのスタートでした。わからないことがあったら先輩社員に聞きやすい雰囲気があるので、とても仕事がしやすいです。
- K.Yさん
- 私がいる部署も中途入社の方が多いのですが、「周りの方がすごく親切で、助かっています」という声を聞いたことがあります。やさしくてプロフェッショナルな人が多く、1聞いたら10教えてくれたり、具体的な経験を交えてアドバイスをしてくれます。テレワークのような制度も徹底して使われていますし、有給休暇をはじめ、産休や育休の制度もしっかりしていて、「遠慮せずにどんどん使って!」という雰囲気があるので、仕事もしやすいですね。
- 黒田社長
- とはいえ、個人的には大人しすぎるようにも感じることが多いんだよね。よく組織の中で壁があるっていうけど、みんな自分の領分を守って、他人の領分に慎重になっているだけなのかな?
- S.Mさん
- 互いの領域の境界線がはっきりしているときは問題ないですが、誰の領域の仕事なのかがはっきりしないものについては、少し密なコミュニケーションが必要になると感じます。あいまいなところはじっくりと確認しあっていくと大丈夫な印象です。
- K.Yさん
- 新しいことを始めるときには、同じ部署の方だけでなく他部署の方や別の支社の方を巻き込んでいくことが大事になってきます。そのためには、大きな力が必要になる、というのはありますね。
- S.Mさん
- 知らないうちに巻き込んでいる巧みな力のある人もいるんですけどね。
- K.Yさん
- 独特のアイディアと技術力を持っている人が会社にたくさんいるので、それをチームとして、もっと活かしていけたらと思います。

session 02 入社動機、仕事のやりがい
入社のきっかけとなったことは何ですか?
また、どのようなところに仕事のやりがいを感じていますか?
- S.Mさん
- 私は大学在学中から電池の研究をしておりまして、普通のリチウムイオン電池とは違う、少し変わった面白い構造を持った電池の研究開発がしたいな、と思っていました。『マグボックス』の開発や『はやぶさ2』のサンプルリターンに大きく貢献したことなどで古河電池が話題になっていて、「面白いことができそうだな」と思い、古河電池へ入社を決めました。新しいものに挑戦していく土壌があるところや、一度方向性が決まればかなりの力を出してぐんぐん前に進むところに魅力を感じています。
- K.Tさん
- 古河電池がバイポーラ型鉛蓄電池の開発をしていることを知ったのが、入社するきっかけの一つでした。他にも人工衛星の多くに古河電池の電池が搭載されているなど、高い技術で電池業界をリードしている会社だな、という印象もありました。研究開発職を志望していたので、「古河電池なら世にない新しい研究開発に携われるかもしれない」と考えて、古河電池にエントリーしました。運よくバイポーラ型鉛蓄電池の開発にも配属され、入社面接のときに感じた、人がやわらかいという印象は、入社後も変わってなく、楽しく働いています。
- K.Yさん
- 就職活動のときに事前に調べていたのですが、産業用蓄電池ってどういうものなんだろうというのが、HPを見てもイメージがつかめなくて、よくわかっていなかったんです。入社後に産業用蓄電池を取り扱う部署に配属になったのですが、実際に仕事としてかかわってみて、産業用蓄電池の重要性を実感しました。
- 黒田社長
- 産業用蓄電池は停電の際に使うもの。普段は使用されない場合が多いから、重要性がわかりづらいところがあるよね。
- K.Yさん
- 停電時に電力供給が止まることが、生死にかかわる施設もある中で、産業用蓄電池はまさに、非常時の生命線だなと。そういった意味では、「社会に貢献できているな」という感覚を強く抱いています。
- O.Cさん
- 私は千葉県出身でそこまで強い震災を経験していないのですが、東北にきて、非常用電源に対する関心の高さやニーズの強さを日々感じています。もう一つ入社してから少し驚いたことが、カスタムメイド・オーダーメイドが多いことです。もちろん量産型の製品も数多く取り扱っていますが、それよりもお客様の設備に合わせて一つ一つ電池を組み上げていくケースが多いというのは、意外でした。

session 03 電池業界の今と、鉛蓄電池の将来性
鉛蓄電池の将来性について、どのように考えていますか?
- S.Mさん
- 自動車用蓄電池においてリチウムイオン電池の研究開発は世界中でおこなわれています。一方で鉛蓄電池の方は、開発され尽くした感がありますよね。中学校や高校の授業でも学べるほど仕組みもシンプルですし、「今さら鉛蓄電池に開発の余地なんてあるの?」という印象は、私も実は持っていました。
今、自動車がガソリン車からハイブリッド車、電気自動車にどんどん進化していく中で、電池の使われ方も急速に変化しています。それにともない、新しい使い方に耐えうる鉛蓄電池の開発がリチウムイオン電池の開発と同じくらい待たれています。「鉛蓄電池は、まだまだこんなにも開発の余地があったのか」というのは、入社してから実感しています。
- K.Yさん
- 再生可能エネルギー用途でも、蓄電池の大半がリチウムイオン電池ですが、古河電池では鉛蓄電池を使ったESS(Energy Storage System)を開発しています。他社ではほぼ例がありません。安全性・リサイクル性に優れた鉛蓄電池で目新しいものができたらいいと思っています。
- 黒田社長
- 今、電池業界ではリチウムイオン電池の開発が活発だから、「リチウムイオン電池=進んでいる」「鉛蓄電池=遅れている」というようなイメージが先行してしまっている。でも、鉛蓄電池には、まだまだやるべきこと、やれることがたくさんある。
製品化をするときに、開発やマーケティングだけでなく、営業と組んで進めるのは、情報交換もできるいい機会じゃない。どんどんやればいいと思うけど、実際はどうですか?
- K.Yさん
- ESSはまだ製品としての土台が固まりきっていないので、もう少し固まったら営業と連携して情報交換をしていきたいと思っています。
- K.Tさん
- バイポーラ型鉛蓄電池の開発も製品化されていないものを作っています。電池を試作して実験するという普段の業務だと、サンプルを出荷したあとに、現場でどう電池がつかわれているかを確認する機会はどうしても限られてしまいます。開発・設計段階ではお客様の顔をあまり見られないのですが、もう少し見られるといいと感じています。
- 黒田社長
- 私の意見を言うと、もう少しみんなを早い段階で巻き込んでいっていいんじゃないかなと思う。まだ製品が完成していない段階で巻き込んで、一緒に作っていく。そうすると、多角的な情報も得られますよね。例えば、お客様と接する営業と連携して情報共有をすれば、何が求められているのかを知りつつ開発を進めることができる。そういったスタンスは大事じゃないかなと思いますね。
- S.Mさん
- 確かに全くの新製品となると、お客様も具体的な要望をイメージできないことも多いものですよね。
- 黒田社長
- お客様が感じている鉛蓄電池の価値だけではなくて、プロとして当社が鉛の価値を決めて、もっと世の中に提供していこう、という動きがあってもいい。また、モノではなくてESSのようなシステムを売る場合は特に「何を売りにするのか」「どういった点を評価していただくか」を古河電池側で設定する必要がある。そうすることで、お客様の根本的なニーズを満たす製品開発につながるはずです。

session 04 未来の目指す姿
5年後、10年後の目標はありますか?
- 黒田社長
- 古河電気工業にいるときから、「どうせやるなら仕事は楽しく!」というメッセージをずっと社員皆さんに伝え続けてきました。みんなが生き生きと楽しく働ける、そんな会社をつくりたいと思っています。
商品力が非常に高くて、営業や提案をしなくても行列ができる。お客様のニーズに合わせる必要もない。もしかすると、そんな状況がメーカーとしては理想なのかもしれません。でも、それだと誰が働いても同じだし、組織として活性化しているかというと、そうとも言えない。
他社と競争しながら切磋琢磨して、自分たちの力でもっといいものを開発しよう、売ろうと試行錯誤しながら、皆さんが前向きに動いている会社の方が、私は魅力的だと思っています。もちろん会社の業績が良ければそれに越したことはありませんが、それができれば、業績もついてくるはずです。
皆さんは、個人的な目標は何かありますか?
- K.Tさん
- 入社して1、2年は本当に楽しく、ワクワクしながら仕事ができました。3年目になり、責任も増えていく中で、責任は自覚しつつ、これまでのように楽しみながら仕事をしていきたいと考えています。
- O.Cさん
- 私事ですが、結婚して、これから妊娠、出産というライフステージを迎えます。仕事と育児や家庭の両立をしながら、いずれは管理職になれるようにキャリアを積んでいきたいと思っています。
- S.Mさん
- 今年から主任になり、人を動かしていくポジションになりました。他部署と連携して1つのテーマに取り組む機会も、今後はますます増えていくと思います。同時に、後輩や部下に指示を出すことも増えていきます。指示を出す側、出される側、ともに楽しく仕事ができるように、人を動かせる力を育てていくつもりです。
- K.Yさん
- 私が今携わっているESSは、古河電池でも前例のない新しい事業です。勢いをつけてESSを盛り上げていくためには、これまでのやり方や空気感を打ち破って変えていくことが必要です。その役割を誰かがやらなければならないわけですが、臆せずにやれる度胸を持つことが、今の目標です。
学生の皆さんへ
当社は、技術力と誠実さを兼ね備えた企業文化のもと、社員一人ひとりが情熱を持って働いている会社です。
電池業界が急速に変化する中、私たちは未来を見据え、楽しみながら目標に向かって取り組んでいます。
古河電池で共に成長し、未来に向かって前向きに取り組める学生の皆さんと一緒に働けるのを楽しみにしています。